目の前にあるものは、角膜、水晶体、硝子体を通って、網膜の中心窩(ちゅうしんか:網膜の中で視力が一番良い部分)にピントが合った後に、その情報が視神経を通って脳に伝わります。
弱視はこの視覚情報が伝わる経路のどこかに支障があるときに生じます。
これは通常視力の発達の感受性期(生後1ヶ月から8歳ごろまで)に片目または両目に適切な視覚刺激を受け取ることができなかったために視力の発達が止まったり遅れたりすることによります。
(1)網膜に光を通しにくい(形態覚遮断弱視)生まれたときからまぶたがさがっている(眼瞼下垂)、黒目の部分が濁っている(角膜混濁、白内障)などの病気があって網膜に刺激が十分に入らないと視力が発達しません。しっかり視覚刺激を受け取るには、原因を取り除くための手術が必要なこともあります。
(2)片方の目の位置がずれている(斜視弱視)ものを見ようとするときに片目は正面を向いていても、もう一方の目が違う方向を向いてしまっている状態のことを斜視といいます。片目の視線がずれている場合、その目が使われないために視力が発達しません。
(3)網膜にきちんとピントが合わない(屈折異常弱視)両目に強い遠視や乱視があると網膜にきちんとピントが合いません。このような状態で過ごしていると、視力が発達しません。
(4)右眼と左眼の屈折度数(近視、遠視や乱視などの屈折異常の程度)に大きな差がある(不同視弱視)右眼と左眼の屈折度数の差が大きいと、屈折度数の大きいほうの目にきちんとピントが合わず、その目が使われないために視力が発達しません。