「ぶどう膜炎」とは眼の中に炎症を起こす病気の総称です。「内眼炎」とも呼ばれ、その原因には失明に至る重症なものもあり、さまざまです。
ぶどう膜炎が生じると、眼の中の透明な前房と硝子体に炎症細胞が浸潤するため、霧視(かすみがかかったように見えること)、飛蚊症(虫が飛んでいるように見えること)、羞明感(まぶしく感じること)、その他、視力低下、眼痛、充血などの症状がみられます。片眼だけのことも両眼のこともあり、両眼交互に症状が現れることもあります。症状の経過は、だんだん悪くなるものもあれば、一時的に良くなり再びまた悪くなるといった再発・寛解を繰り返すものまでさまざまです。
ぶどう膜炎は、サルコイドーシス、原田病、ベーチェット病のように全身の免疫異常が要因であることや、細菌性眼内炎やヘルペス性虹彩毛様体炎のように細菌、ウイルスの感染、強膜炎では全身の免疫異常、感染ともに要因になることがあります。また、外傷や悪性腫瘍も要因となります。しかし「ぶどう膜炎」と診断されても3人に1人は原因疾患がわからないとされています。